笑われてもいい。 いつか「有松」のまちを 世界の絞りのメッカに。

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この街の社長紹介-天白・緑区編-
第3回、今回は株式会社株式会社竹田嘉兵衛商店、竹田 嘉兵衛さんのご紹介です。


地元愛や誇りにつながる町づくりを。

有松絞りに限らず伝統工芸は常に「いかにして次世代に残すか」という大きな課題を抱えています。

後継者の育成も大切ですが、私は「有松絞りとい う文化を世界の人々に広く知らしめることが存続と継承につながる」と考えてきました。

第一回「国際絞り会議」

有松絞りのように布を糸で括って防染する「絞り」の技法は紀元前に発祥 したとされ、日本、インド、インドネシア、南アメリカ、アフリカなどでは 古来より盛んで、その技法は世界中で約100種もあります。

そこで1992年、ここ有松絞りの染織業者たちで主導した「国際絞り会議」を名古屋で初めて開催しました。

第一回目にして20カ国から約850人が集まり、教育・芸術・ 工業技術などの有識者たちが論議して、「絞り」をshaped resis(t シェイプド・ レジスト/立体的染め抜き)と国際的に定義づけ、「ワールド絞りネットワー ク」を設立させた非常に意義のある大会です。

このときの文化交流が契機となり国内外の美術館への出展依頼が来るようになったほか、精緻で複雑な模 様をつくり出す有松絞りは世界的デザイナーを触発してイッセイミヤケ、山本寛斎などのほか、近年ではエトロとのコラボレーションも叶えてくれました。

途中、自社ブランドのブラウスの全米販売にも挑み、トレンドを生んだほど良く売れた愉快な経験も味わいました。

目指すは世界

現在も国際的な見本市に出品するなどグローバルなビジネス展開に挑戦していますが、世界各国を巡るなかでいつも感じるのは町の楽しさ。

特にイタリアはどの町を観光しても楽しい。

そこに文化があるからです。

観光の本来の意味は国の威光=文化を観察すること。

ここ有松には日本の文化、有松絞りがあり、旧東海道の賑わいを彷彿とさせる江戸時代からの町並み、桶狭間 古戦場もあり、観光資源に富んでいます。

いまはまだ壮大な夢と笑われそうですが、有松絞りと世界の染織文化を観光の要として地域振興につなげたい。

「世界の絞りのメッカ」したい。

昨年の名古屋市町並み保存指定第一号に認定されましたが、地域の人々も この町を誇りに思ってくださっていると思うのです。

観光化も必ず地元愛につながるはず。

「コンソーシアム有松鳴海絞」の活動や地域の人々との連携で その実現に意欲的に取り組みたいと思います。

 

会社情報

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