地元民の胃袋と心をつかみ続けるインド料理店・えいこく屋

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カレーと紅茶専門店の草分け・えいこく屋

料理にエキゾチックな香りを与え、肉の臭みや腐敗を抑えてくれるスパイスは、かつて金と同じか、それ以上の価格で取引されていた時代があります。当時の貴族たちの間で権力の象徴として、スパイスをふんだんに使うことが流行していたほど。
今はスパイスの価格も落ち着きましたが、あらゆる地域の食べ物が手に入り、いろんな国の料理を口にできるようになった結果、もはやスパイスは、醤油や味噌と並んで僕らの食事に欠かせないものになりました。

そんなスパイスを使った料理として真っ先に挙げられるのはカレーですよね。日本人でカレーを食べたことのない人はほとんどいないでしょう。しかしほんの40年ほど前は、今ほどメジャーな料理ではありませんでした。
今回紹介するのは、そんな頃からカレーを日本に定着させるべく奮闘を続けてきたインド料理専門店・えいこく屋です。

えいこく屋と言えば紅茶の専門店としての顔も持っていますね。スーパーやデパートでその名を見かけて知っているという方、あるいはいつも買って飲んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
覚王山駅から徒歩3分ほどの通りにえいこく屋紅茶店がありますが、そのすぐ隣でインド料理を食べられます。

 レトロな佇まいがカワイイお店

昭和の小さな喫茶店のような佇まいは、その時代を知らない僕の目にもどこかノスタルジックに映りました。

ランチタイム終了ギリギリに滑り込んだのですが、お店にはまだ何組かお客さんがいました。
ランチの後のお喋りを楽しんでいる年配の女性、赤ちゃんを連れたママ友たち。一人で来店した男性は飲み物のみのオーダーでした。

店内には音楽は流れていません。交通量も少ない通りですから、とても静かに感じられます。
強いて言えば、人の声と厨房から聞こえてくる音、空調の動作音がBGMでしょうか。
仕事や家事のちょっとした空き時間にも利用できます。


こういうレトロな雰囲気はインスタ映えしそうですね!

これだけは食べたいメニュー!

人気のランチメニューは7種類のカレーから好きなものを選べるカレーセット(950円)。

  • こども(甘口チキンカレー)
  • チキン
  • 小えび
  • ベジタブル
  • ホウレンソウ
  • チャナ豆
  • バナナ

今回はオーソドックスなチキンカレーをセレクトしました。辛味は控えめですので、女性からお子様までどなたでも食べられます。
カレーセットには飲み物も付いてきます。以下の5つから選べます。紅茶のイメージが先行してしまって、ついレモンティーやミルクティーを頼みたくなるところですが……ここはインド料理店。せっかくなのでチャイを選ぶことにしました。

  • コーヒー
  • ラッシー
  • チャイ
  • レモンティー
  • ミルクティー

えいこく屋のこだわりポイント

「えいこく屋のカレーはもちろん本場の、本物のカレーです」と笑顔で断言するのは、お店の顔・田中真也子さん。
実はインドのカレーは、日本の食卓にのぼるそれとは似て非なるもの。本場のカレーはおよそ10種類のスパイスを絶妙のバランスで配合して作られる立派な薬膳料理です。ルウではなく、カシューナッツと玉ネギ、ニンニク、生姜をペースト状にしてとろみを出していきます。


厨房で腕を振るうのはネパール人シェフ。インドのホテルで修行を積んだ、本場仕込みの料理を提供してくれます。栄養価が高く、アンチエイジング効果もあるナッツ類と、スパイスの数々を日頃から摂り入れているおかげか、シェフは風邪を引かないんだとか。

そして、カレーのお伴と言えばやっぱりナン。タンドゥールと呼ばれる石窯で丁寧に焼いたナンは「店自慢の味です」と田中さん。お皿からはみ出るほどのサイズのナンは、満足感たっぷりのボリュームです。


ナンの代わりにご飯(ターメリックライス)を選ぶこともできます。

カレーとナンでお腹をいっぱいにした後はチャイを楽しみましょう。インド料理に精通したえいこく屋ですから、チャイにもこだわりポイントがあります。
本来の味が堪能できるよう、スパイスを一切入れていないのです。チャイに加える牛乳も何種類も飲み比べて、チャイに最も合うと判断した「少し濃い牛乳」だけを使っています。
チャイの葉は隣接店舗のえいこく屋紅茶店で買い求めることができますが、田中さん曰く「なかなかうちと同じ味にするのは難しいんです」とのこと。

いつも来てくれる人も、新しいお客さんも大切に

「かわいいねぇ。昔を思い出して懐かしくなっちゃう」
「よく男の子に間違われるんです」
「こんなにかわいいのにねぇ、失礼しちゃうねぇ」

昼下がり、レジでお客さんと楽しそうに談笑する田中さんの姿がありました。

「うちは大繁盛店ではありません。でも、それでいいんです。いつも来てくれる人を大切にしていくお店。普段は遠くに行っていても、名古屋に帰ってきた時にはふと思い出して立ち寄りたくなるような、そんなお店でありたいです。もちろん、新しいお客さんが来てくれるのも大歓迎ですけどね!」

えいこく屋は今年で創業から38年目を迎えます。
平日の昼間は年配の方や子連れのお母さんたちで、休日にはファミリーで賑わうといいます。
「創業当初からのリピーターさんも多いですね。中にはもう80歳になる方もお見えになります」。
地元に寄り添うあったかいインド料理店・えいこく屋。ぜひ一度足を運んで、本場の味を味わってみてください!

店舗情報

えいこく屋 インド料理店

  • 052-763-2788
  • 8:00~22:00(ラストオーダー21:00)
  • 朝食営業、ランチ営業、日曜営業
  • 火曜定休
  • 40席
  • 分煙
  • 予約可
  • 駐車場ナシ

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